キーワード
- 運用自動化
- Runbook
- Playbook
- Runbook Automation (RBA)
- Robotic Process Automation (RPA)
- Hyper Automation
作成日 | 2023/09/29 |
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更新日 | 2023/09/29 |
Runbook Automation(RBA)とは
ITシステムの予算の50%近くは運用と言われるほどに、運用自体の効率化や自動化はかなり前から求められてきました。その中のITシステムにおける運用自動化については様々な考え方や技術トレンドがあります。Runbook Automation(ランブック・オートメーション)もその1つです。
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Runbook(ランブック)
ランブックは、特定のタスクやプロセスを手順通りに実行する方法を詳しく説明した手順書です。ITシステムの運用においては、ITタスクを実施する運用手順書に呼ばれるものに該当し、メンテナンスやトラブルシュートの手順も含みます。
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Runbook Automation
(ランブック・オートメーション、略称:RBA)ランブック(ITタスクを実施する運用手順書)をオートメーション(自動化)するという概念です。考え方自体は、かなり前から存在しており、「ワークフロー自動化」「ITプロセス自動化」「ランブック自動化」など、さまざまな名前で呼ばれてきたものを含みます。この様に、Runbook AutomationはITシステムの運用自動化における基本的な概念だと言えます。
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RunbookとPlaybook
Runbook(ランブック)とよく似た意味で使用されるPlaybook(プレイブック)との違いを解説します。
Playbook(プレイブック)
特定のビジネス操作のエンドツーエンドプロセスを詳細に説明した包括的なガイドを指します。つまり、実行する手順だけでなく、各チームメンバーの役割と責任、使用するツールとテクノロジー、期待される成果物も含みます。 複数の部門や利害関係者が関与する複雑なワークフローを自動化するための、ビジネスプロセス自動化でも使用される用語のため、BPM(Business Process Management:ビジネスプロセスマネジメント)ツールでも登場するケースもあります。 概念としてPlaybookはRunbookと異なる、またはRunbookの上位概念の1つにみえますが、環境設定の自動化を行うAnsibleでは、 Playbookを実行される手順を定義する一連の指示が含まれるファイルを指します。 この様に用語の本来の位置づけと実際の使われ方に乖離があるケースもあるので、本記事では、ITシステムの運用自動化の対象をRunbook(ランブック)または運用手順書を対象にして考えます。
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RBAとRPA
最近ではWinActorの様なRPAツールの台頭により、運用自動化のスコープも大きく様変わりしました。そのため、Runbook Automation(ランブック・オートメーション)とRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の違いも見てみます。
Robotic Process Automation
(ロボティック・プロセス・オートメーション、略称:RPA)英国のソフトウェア開発会社であるBlue Prismが作った造語です。
(出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Blue_Prism) ソフトウェアロボットを使用して繰り返しのルールベースのタスクを自動化することができるソフトウェア技術の1種を指します。RPAロボットは人間のアクションを模倣し、デジタルシステム、アプリケーション、データソースとやり取りして、タスクやプロセスを完了する RPAのテクノロジーは、データ入力やフォーム入力などのシンプルな管理タスクから、請求処理、クレーム管理、およびカスタマーサービスなどのより複雑な活動まで、幅広いビジネスプロセスを自動化するために用いられます。 この様に、RPAはソフトウェアロボットを使ったRBAの1種とも考えられます。ソフトウェアロボットを駆使する事で、運用手順の自動化できるスコープが大きく広がったと言えます。 -
RBAとHyper Automation
最後に、Runbook Automation(ランブック・オートメーション)とHyper Automation(ハイパーオートメーション)の違いも見てみます。
Hyper Automation
(ハイパーオートメーション)2020年に公開された「Top 10 Strategic Technology Trends for 2020: Hyperautomation」という報告書で、主要な調査・アドバイザリー企業であるGartnerによって作られた造語です。
(出典:https://www.gartner.com/smarterwithgartner/gartner-top-10-strategic-technology-trends-for-2020/) 人工知能(AI)や機械学習(ML)などの先進技術を活用して、プロセスを自動化し、人間を補完すると共に、自動化できるツールの範囲を超えて、自動化の洗練(つまり、発見、分析、設計、自動化、測定、監視、再評価など)させていく仕組みも指します。 つまり、Hyper Automationは人工知能(AI)や機械学習(ML)を使ったRBAの1種というだけでなく、自動化を洗練させていく仕組みを持つRBAの進化系と言えます。
Runbook Automation(RBA)に必要な仕組み
ITシステムにおける運用自動化における様々な用語を説明してきましたが、やはりRunbook Automation(ランブック・オートメーション)がベースの考え方だと言えます。そのRunbook Automationを実現する為に必要な仕組みを4つ紹介します。
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ワークフローエンジン
Runbook Automation(ランブック・オートメーション)、つまりITシステムの運用自動化には軸となるフロー(ワークフロー)を定義して実行するエンジンが必要です。PCやサーバを跨るフロー制御が必要で、単純なシーケンシャル実行だけでは済まないため分岐や並列実行なども定義でき、全体を俯瞰して一元管理する仕組みが求められます。 分岐の判断に人工知能(AI)や機械学習(ML)を利用するケースもあり、また俯瞰した一元管理では監視の機能(実行対象の死活監視や各処理の遅延監視など)も必要になります。
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個々のタスクを自動化する技術
ワークフローエンジンで制御する個々のタスクの自動化を実現する様々な技術が必要になります。この整理では、RPAの技術やPlaybookもこの範囲に入ります。OCR(オーシーアール、光学的文字認識)は業務自動化の分野で良く必要とされますが、ITシステムの運用自動化においても必要となるケースもあります。
CLI操作 - ・PCやサーバでコマンドを実行する
- ・エージェントを使用するケース、エージェントレスで実行するケースがある
UI操作(RPA) - ・PCの画面操作を実行する
- ・リモートからUI操作を実行するには特殊な仕組みが必要
対話的操作 - ・フローの途中でユーザ承認が得られた後に処理を継続する
- ・責任者の承認もフローの中に組み込む
ファイル操作 - ・ファイルを配信したり、ファイルの作成/変更/削除の契機で処理を継続する
- ・ファイルの配信の際には環境に合わせたファイルの編集も求められる
環境操作(Playbook) - ・OSの設定やパッケージのインストールなどの環境設定を行う
- ・個々のタスクでは冪等性(べきとうせい)が求められる
OCR - ・OCR(オーシーアール、光学的文字認識)は手書きや印刷された文字を認識してデータ化するもの
- ・ユーザや物理的な入力を元に処理を進める仕組みが求められる
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証跡の管理
運用手順を実施した時と同様に、監査やトラブル対応に向けて実施証跡の保存管理が必須です。証跡が無いと運用ミスによるトラブル等発生時の原因や影響範囲の特定が困難になるため、システムによっては数か月から数年間の保存を行います。
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可用性
運用自動化するエンジンの故障は、運用業務に多大な影響を与えるため可用性は必須です。例えば運用自動化を行うエンジンのサーバ故障が発生した際に、可用性が無いと自動化の故障のカバーを人力で対応する必要があり、多大な労力をかける必要があると共に作業ミスを誘発するリスクがあります。
Hinemosのポイント
Hinemosは収集・蓄積(ログ管理)、監視・性能、自動化をワンパッケージで実現する統合運用管理製品であり、この統合運用管理の中でRunbook Automationが実現できます。特にHinemosは運用管理としてオペレータが操作する事を想定された製品であり、オペレータが安心してITシステムの運用自動化に携われます。
Runbook Automation(RBA)に
必要な仕組み
先に説明したRunbook Automation(RBA)に必要な仕組みについても、Hinemosは機能(または連携機能)を提供しており、簡単にRBAを開始できます。
必要な仕組み | Hinemosのポイント |
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ワークフローエンジン | ・Hinemosのジョブ管理機能にて、PCやサーバを跨るフローかつ、複雑な条件分岐や並列、多重実行制御を行い、俯瞰した統合管理が可能です |
個々のタスクを自動化する技術 |
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証跡の管理 |
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可用性 |
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