Hinemosの歩み

Hinemosのはじまり

Hinemos(ヒネモス)の構想が生まれたのは2004年のことです。当時は、企業の大規模システムにおいても多数のIA(Intel Architecture)サーバを使った3層システムが一般的となり、そのOSにLinuxが採用されていることを背景に、OSSの活用の機会が増えていました。多数のIAサーバとLinuxを組み合わせたシステム構築では、ハードウェア、ソフトウェア共に構築時の初期コストの低減というメリットがありましたが、一方でサーバ台数の増加による運用管理のコスト増というデメリットもありました。

 

そこで様々な運用管理ツールが試行錯誤されましたが、システム運用管理ツールにOSSを採用する場合には、機能単位に異なるツールをあわせて使う必要がありました。
例えば以下のように、ユーザインターフェースの異なるそれぞれの運用管理ツールを組み合わせる必要から運用管理が非常に煩雑なものとなり、統合的な運用管理を行う場合はOSSをあきらめて商用製品に頼るしかないのが現状でした。

 

 

リソース監視は、「MRTG」と「SNMP」を用いてWebブラウザから管理
障害発生の場合は、「swatch」で電子メールに転送
バッチ処理の定期実行は、「cron」

 

そのような運用管理の現場の、多数の管理対象を効率的かつ統合的に管理するツールを「OSSで実現したい」というニーズがHinemos開発のコンセプトだったのです。Hinemosの開発は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が推進する平成16年度オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業のひとつである「分散ファシリティ統合マネージャの開発」の委託を受けてスタートしました。

 

 

Hinemosメジャーバージョンリリースの歩み

ここではHinemosメジャーバージョンリリースの歩みをご紹介いたします。

Hinemosでは、「verx.x」までをメジャーバージョン、「verx.x.x」までをマイナーバージョンとしています。

 

リリース日 バージョン 説明
2005/08 Hinemos ver.1.0

・IPAの公募によりHinemosが誕生
・リポジトリ管理機能を実装

・監視機能(ping監視、syslog-ng監視)を実装

・性能管理機能を実装

・一括制御機能を実装

・ジョブ管理機能を実装

2006/03/31 Hinemos ver.2.0

・アクセス管理を追加

・共通機能(カレンダ、通知設定)を追加

・エージェント監視を追加

・HTTP監視を追加

・プロセス監視を追加

・SNMP(数値)監視を追加

・SQL監視を追加

2006/10/20 Hinemos ver.2.1

・Windowsに対応

・SNMPトラップ監視を追加

・アプリケーションログ監視を追加

2007/03/28 Hinemos ver.2.2

・メンテナンス機能を追加

2007/10/05 Hinemos ver.2.3

・Windows管理機能強化

・パフォーマンス向上
・SNMP(文字列)監視を追加

・GUIインストーラ(Windows)を採用

2008/03/31 Hinemos ver.2.4

・サービス・ポート監視を追加

・メールテンプレート機能を追加

2008/10/31 Hinemos ver.3.0

・IPv6対応

・通知方式拡張(syslog通知)
・Hinemos HAオプションをリリース
・UNIXエージェントPack(現:商用UNIXエージェント)をリリース

2009/04/13 Hinemos ver.3.1

・WBEM対応
・Hinemos VM管理オプションをリリース

2010/09/30 Hinemos ver.3.2

・セルフチェック機能を追加

・WebサービスAPIを公開
・Hinemosノードマップオプションリリース

2012/04/24 Hinemos ver.4.0

・クラウド対応に向けた監視管理機能、性能管理機能の強化
・Hinemosジョブマップ オプションをリリース
・Hinemos仮想ネットワーク管理オプションをリリース
・Hinemos クラウド管理オプションをリリース

2013/10/01 Hinemos ver.4.1

・ジョブ管理機能の強化

・Hinemosマネージャ、HinemosエージェントがCentOSに対応

2015/05/27 Hinemos ver.5.0

・環境構築機能を追加

・Webクライアントを追加

・SNMP v3対応

・HTTPシナリオ監視を追加

・JMX監視を追加

・インストーラ(Linux)のRPMパッケージ化

2017/02/02 Hinemos ver.6.0

・収集・蓄積機能を追加

・Windows版マネージャを追加

・性能グラフの刷新

・ジョブのRBA対応

・カスタムトラップ監視を追加

・環境構築通知を追加

・グローバル対応強化(言語・タイムゾーン対応強化)

・Ubuntu、SLES、Android対応エージェントリリース

・Hinemosエージェント対応プラットフォーム(Oracle Exadata、IBM z System)拡充

2018/02/07 Hinemos ver.6.1

・将来予測監視を追加

・変化量監視を追加

・相関係数監視を追加

・収集値統合監視を追加

・ログ件数監視を追加

・ネットワークパケットの収集に対応

・バイナリファイルの収集に対応

2019/04/01 Hinemos ver.6.2

・ログイン時のユーザ認証でLDAPv3による外部認証に対応

・Hinemosマネージャ、クライアント 対応プラットフォーム拡張 (Windows Server 2019)

・Hinemosエージェント 対応プラットフォーム拡張 (RHEL8)

・Hinemosが動作するJVMとしてAmazon Corettoに対応

2022/03/01 Hinemos ver.7.0

・SDML機能を追加

・RPA管理機能を追加

・Hinemosメッセージフィルタとの連携に対応