ジョブ特集

~ ITシステムのジョブ管理による業務自動化と運用自動化をHinemosで実現 ~

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  • ジョブ
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  • 業務自動化
作成日 2020/01/16
更新日 2023/09/01

ITシステムのジョブ管理とは

昨今のオープン化されたITシステムでは、機能単位にサーバを分割して複数のサーバ群でシステムを構築することが主流になっています。そのシステム上で、業務処理や基盤運用を自動化/効率化することが非常に重要な課題です。
ITシステムのジョブ管理は、サーバを跨る処理フローを統合的に管理する機能です。これによって複数のサーバ群からなるITシステムの様々な処理フローも簡易に統合管理できます。
ジョブ管理には、大きくジョブ定義の管理、実行契機の管理、ジョブセッションと履歴の管理の3つの機能が必要になります。

ITシステムのジョブ管理について

どんなジョブがある?

一般的にどのようなジョブをITシステムで使用しているかを説明します。ITシステムのジョブは用途・目的によって分類され、「業務ジョブ」「基盤ジョブ」「運用ジョブ」といった分類があります(システムや企業によって名称は異なります)。こういった分類の中で、システムの要件に応じた様々なジョブが用意されることになります。

  • 業務ジョブ

    ITシステムが提供するサービスの影響する業務処理を自動化するジョブ

  • 基盤ジョブ

    ITシステムが提供するサービスの基盤に関する運用処理を自動化するジョブ

  • 運用ジョブ

    ITシステムの業務・基盤を含めた運用全般を自動化するジョブ

ITシステムの3つのジョブ

ジョブ管理の仕組みがないと?

数多くのジョブをジョブ管理の仕組みがないまま運用を開始したらどうなるでしょうか。恐らくは次の2パターンの何れかになります。

  • - 手動実行の場合
  • - OSの機能(タスクスケジューラ/cron)利用の場合
ジョブ管理の仕組みがない場合
上図の通り準備コストや実行上のリスクもある上に、現在の「実行状況の把握」すら困難になります。これらは1回しか行わない処理ならともかく、定期実行する場合はその作業コストと作業品質、そして運用体制変更の負荷が非常に大きくなります。

ITシステムのジョブ管理に必要な仕組み

ITシステムのジョブ管理には、先ほどジョブ定義の管理、実行契機の管理、ジョブセッションと履歴の管理の3つの機能が必要と説明しました。これをもう少しかみ砕いて、大きく次の4点の仕組みと、これら全体として重要となる可用性について詳細を解説します。

  • ジョブネットの定義

    ジョブ管理において最も重要と言って過言でない仕組みが、ジョブネットの定義です。個々の処理をジョブとして、その処理フローをジョブネットとして定義します。
    ユーザが本質的な処理の実装に集中できるよう、ジョブやジョブネットには細やかな機能や制御も行える必要があります。例えば、ファイル到達確認を行えるジョブが機能として用意されているか否かで、ファイル到達確認の処理をユーザが作り込むのか、GUIで目的のファイルを指定するだけか、の大きな差が生まれます。
    他にもジョブネットを視覚的に見やすく表示するジョブマップや、非常に多くのジョブ定義を管理するためExcel等で編集する仕組みも重要です。

    ジョブネットの定義
  • ジョブネットの様々な実行

    ジョブネットが定義できたら、これを実行(起動)する仕組みが必要です。単純な起動からスケジュール実行、他にもシステムや機能間連携を踏まえた実行の仕組みがあると、ユーザの作り込みを少なく運用への導入が可能になります。

    様々なジョブネットの実行の仕組み
    • - 即時実行(手動起動)
    • - スケジュール実行(定期起動)
    • - API/コマンド連携
    • - ファイル連動
    • - 監視連携
    • - ジョブネット・ジョブマネージャ間連携
    • ジョブネットの実行の仕組み_即時実行(手動起動)
    • ジョブネットの実行の仕組み_API/コマンド連携
    • ジョブネットの実行の仕組み_スケジュール実行(定期起動)
    • ジョブネットの実行の仕組み_監視連携
    • ジョブネットの実行の仕組み_ファイル連動
    • ジョブネットの実行の仕組み_ジョブネット・ジョブマネージャ間連携
  • ジョブネットの実行結果の一元管理

    ジョブネットを実行した後は、その実行結果を管理する仕組みが必要です。特に、複数のサーバを跨ったジョブネットの実行中・実行結果を一元的に確認できるか否かは、運用を行う上でその運用コストに大きく影響を与えます。
    既に処理が終了したジョブは実行結果として、ジョブの成功/失敗と、それを判断した元情報としてコマンドの戻り値や標準出力、標準エラー出力も統括して把握する必要があります。実行中のジョブについては、終了遅延が発生していないかなどの監視や、これから起動するはずのジョブの開始遅延が発生していないかの監視など、様々な状態の把握が求められます。

    ジョブネットの実行結果の一元管理
  • 中断・再実行のオペレーション

    ここまではジョブ管理の基本的な仕組みでしたが、運用中はイレギュラーな状況も発生する可能性があり、その対応が求められます。例えば何かしらのトラブルが発生して、急遽、実行中のジョブネットの以降の処理を止めたい、といったケースが考えられます。こういった場合にリアルタイムで中断したり、該当処理をスキップしたり、または保留で処理を待たせるなどのオペレーションができる必要があります。もちろん中断した後は、再実行のオペレーションも行える必要があります。

    中断・再実行のオペレーションについて
  • ジョブ管理の可用性

    忘れてはならないのが、ジョブ管理の仕組み自体の可用性です。
    業務/基盤業務を自動化するジョブ管理の機能の停止はITシステムの運用に大きく影響があります。ゆえにDBサーバなどと同様に運用管理、特にジョブ管理の仕組みに可用性構成を求めるシステムは非常に多いです。
    ジョブ管理製品は内部データベースを持つ都合上、クラスタ構成の構築が難しく、特に昨今では基盤がオンプレミス環境/仮想化環境/クラウドが様々あり、またはそれを組み合わせてシステムを構築するケースも多いため、採用する基盤に合わせて様々な障害に対応できるクラスタ構成が必要になります。

    ジョブ管理の可用性

Hinemosのポイント

統合運用管理ソフトウェアHinemosのジョブ機能におけるポイントをピックアップしてご紹介します。

  • 様々な要件に対応できるジョブの種類

    Hinemosでは予め多種多様なジョブを用意しています。これによりユーザは作り込みする範囲を最小限にした状態でジョブ管理を開始できます。

    ジョブの種類 説明
    コマンドジョブ OS上で実行可能なコマンドをそのまま実行(ジョブ別環境変数の設定も可能)
    Hinemosマネージャにスクリプトを登録し、起動時に配布して実行することが可能
    ファイルチェックジョブ ファイルの存在確認・作成・削除・変更(サイズ、タイムスタンプ)の契機を待ち受け、後続ジョブを実行可能
    参照ジョブ 定義済みのジョブを他のジョブネットから「参照」という形で指定することで共通的な処理を1か所に集約が可能
    ファイル転送ジョブ 1つのジョブでファイルの転送元と転送先を指定して転送を実行
    RPAシナリオジョブ RPAシナリオをリモート実行可能
    リソース制御ジョブ 仮想マシン・ストレージの操作(起動・停止など)が実行可能
    承認ジョブ ジョブフロー内にユーザ判断(承認)を含めることが可能
    監視ジョブ Hinemosの監視機能をジョブとして指定が可能
  • 細やかなジョブネットの制御

    システムや企業によって文化や求められる要件が変わりますが、多種多様な要件にも耐えられるよう様々なジョブを制御する機能が備わっています。多重実行制御から繰り返し実行、日本文化で多い48時間カレンダに対応したスケジューリングなど、安心してご利用いただけます。

    様々なジョブの実行制御
    ジョブのアクセス制御 先行ジョブとの情報連携 待ち条件のAND/OR対応
    ジョブの編集モード ジョブ変数の利用 Hinemosエージェント異常時の状態遷移
    ジョブ実行優先度 ジョブ変数にノード変数の指定 戻り値の飛び番対応
    エージェント単位の多重度実行制御 コマンドの標準出力/エラー出力の通知 開始遅延/終了遅延監視
    キューによるジョブ同時実行制御 コマンドのノードプロパティ参照 実行時間予測による終了遅延検知
    日跨ぎ対応(48時間カレンダ) スクリプト配布機能 ジョブ終了時のシグナル送信
    運用時刻の設定 OS環境変数の指定 標準出力のファイル出力
    スケジュールの繰り返し実行 セッションを跨いだ連携 ジョブの実行時間表示
    ジョブの繰り返し実行 マネージャを跨いだ連携 ジョブ履歴表示フィルタ条件の複数指定
    ジョブのテスト実行 待ち条件のIf/Else対応 ジョブ履歴表示フィルタ条件の保存
  • ジョブマップで俯瞰的な管理と簡単設定

    Webブラウザから利用できるジョブマップによりジョブネットの設定から実行中の状態遷移の確認が可能です。ジョブネットの定義も見やすい様に自動配置する機能が備わり、複数ウインドウを跨がずに俯瞰的にジョブネット全体を把握できます。

    ジョブマップで俯瞰的な管理と簡単設定の様子
  • スコープを使って設定を集約

    ジョブはジョブネットという階層で処理フローを纏めると説明してきました。Hinemosでは、ジョブも実行対象をスコープという実行対象のノード(サーバ)をグループ化したものを指定可能になっています。このため個々のサーバを意識せず論理的なグループに対してジョブ設定が可能になります。これは基本設計で規定したジョブの実行対象を概念のままジョブ定義に落とし込めることがポイントです。

    スコープを使って設定を集約
  • オンプレ・仮想化・クラウドで同じ仕組みの可用性構成

    ジョブ機能をもつHinemos自身の可用性構成はHinemosミッションクリティカル機能として提供しています。これは古典的なクラスタ構成とは異なり、Hinemosというソフトウェアで可用性を担保する仕組みです。
    そのため、古典的なクラスタ構成を取る製品と異なり、オンプレミス・仮想化・クラウド環境を全て同一アーキテクチャで可用性構成が組めます。つまり、プラットフォームが変わっても、同じスキルセットで導入可能になります。

    オンプレ・仮想化・クラウドで同じ仕組みの可用性構成
  • 監視機能とのシームレスな連携

    監視機能とジョブ機能をワンパッケージでもつHinemosを導入すると、監視の結果からジョブを起動したり、ジョブネットの中で監視を行ったりと、双方向の連携がシームレスに行える様になります。ITシステムの状態を見ながらの自動化推進をツール連携といった作り込み不要で実現可能になります。

    監視機能とのシームレスな連携
  • CPUコア数に依存しないライセンス体系

    一般的なジョブ管理製品はCPUコア数でライセンス費用がスケールします。このためさーば台数が少なくてもハイパフォーマンスサーバがあるだけで非常に高額なライセンス必要になったり、クラウドなどでサーバのスケールアップするだけでライセンス費用の見直しが発生します。かわって、HinemosサブスクリプションではCPUコア数による費用変動はありません。これにより、システム構成変更や、柔軟にリソースを変更できるクラウドのメリットを運用管理製品のコストを意識せず享受可能です。

    CPUコア数に依存しないライセンス体系

お問い合わせ

HinemosによるITシステムのジョブ管理のメリットをご理解頂けたと思います。ITシステムのジョブ管理にお困りの方、Hinemosにご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

  • - ITシステムを俯瞰した統合監視を実現したい方
  • - 監視機能とジョブ機能の両方をお求めの方
  • - オペレータが簡単に扱える運用機能をお探しの方

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    特集:ジョブ管理

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