Red Hat Enterprise Linux 7.2、CentOS7.2におけるsystemdの仕様変更に伴う、Hinemosの注意喚起情報について、ご案内します。
詳細情報
事象概要
HinemosマネージャサーバからOSのユーザ "hinemos" がログオフした際、Hinemosマネージャの内部DB (PostgreSQL)が停止する。
事象詳細・原因
systemdのバージョンが212以降の環境において、"/etc/systemd/logind.conf"で"RemoveIPC=yes"が指定されている場合、HinemosマネージャサーバからOSのユーザ "hinemos" がログオフしたタイミングで、Hinemosマネージャの内部DB (PostgreSQL) が利用しているIPCのリソースが削除されます。その結果、Hinemosマネージャの内部DB (PostgreSQL)がFATALエラーを起こし、停止します。
こちらは、Red Hat Enterprise Linux 7.2、CentOS7.2において、systemdのバージョン212以降が採用され、またデフォルトで"/etc/systemd/logind.conf"に"RemoveIPC=yes"の設定が新たに追加されたこたことにより、発生する様になった事象となります。
[参考情報]
※全文を確認するためには、Red Hat アカウントが必要となります。
発生条件
以下2つの条件をともに満たした場合、事象が発生します。
- systemdのバージョンが212以降
- "/etc/systemd/logind.conf"で"RemoveIPC=yes"が指定されている。
もしくは、"/etc/systemd/logind.conf"に"RemoveIPC"の設定が存在しない。
OSインストール直後のデフォルトの状態における、上記コンポーネントのバージョン・設定は、下記となります。
Red Hat Enterprise Linux 7.0/CentOS7.0 ⇒ 事象の発生条件は満たされません
systemdのバージョン:208
"RemoveIPC"の設定:存在しない
Red Hat Enterprise Linux 7.1/CentOS7.1 ⇒ 事象の発生条件は満たされません
systemdのバージョン:208
"RemoveIPC"の設定:存在しない
Red Hat Enterprise Linux 7.2/CentOS7.2 ⇒ 事象の発生条件が満たされます
systemdのバージョン:219
"RemoveIPC"の設定:yes
したがって、Red Hat Enterprise Linux 7.2 及び CentOS7.2の環境について、OSインストール直後のデフォルトの状態で、本事象が発生いたします。
影響を受けるHinemosのコンポーネント・バージョン
Hinemosマネージャ ver.5.0.2以降
(Hinemosマネージャ ver.5.0.0、ver.5.0.1では、本事象は発生しません)
影響を受けるHinemosの機能
Hinemosマネージャを利用する全機能
本事象の回避方法
以下、設定ファイルの変更、もしくは、systemdのアップデートにより、本事象の発生を回避することが可能です。
●設定ファイルの変更
1. "/etc/systemd/logind.conf"にて、"RemoveIPC=no"を指定する。
("logind.conf"内に"RemoveIPC"の設定が存在しない場合、ファイルの末尾に"RemoveIPC=no"を追記する。)
2. 以下のコマンドを実行してlogindを再起動し、1.で設定した内容を反映させる。
(root)# systemctl restart systemd-logind
●systemdのアップデート
本事象はsystemd-219-19.el7_2.4にて修正されています。systemd-219-19.el7_2.4よりも新しいバージョンへのアップデートを実施してください。