SAP HANA の運用管理 第3回 SAP HANAへのHinemosエージェントのインストール

株式会社NTTデータ 澤井 健

株式会社クニエ 芦田 剛士

作成日 2017/1/16
更新日 2017/1/31

概要

第2回では、HinemosによるSAP HANAの運用管理が簡易に行えることを確認するため、AWS上にSAP HANA環境を構築する手順を紹介しました。

第3回では、SAP HANAが動作するSUSELinuxにHinemosエージェントをインストールする手順を紹介します。

SAP HANA環境へのHinemosエージェントインストール

それでは、SAP HANA環境が構築されているSUSE Linux Enterprise Server 11 SP4にHinemosエージェントをインストールしてみます。(Hinemos v5.0のSUSELinux用エージェントは限定公開です。ご興味のある方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。)

1.rsyslogのインストール

準備として、Hinemosマネージャからシステムログを監視できるようにrsyslogをインストールします。

# zypper install rsyslog

2.syslogの設定変更

デフォルトのsyslogを切り替える設定を行います。

# vi /etc/sysconfig/syslog

(変更前)

SYSLOG_DAEMON="syslog-ng"

(変更後)

SYSLOG_DAEMON="rsyslogd"

3.rsyslogの再起動

Syslogサービスを再起動することで、デフォルトでrsyslogを使えるようにします。

# service syslog restart

4.net-snmpのインストール

同様にHinemosマネージャからプロセス監視やリソース監視が可能なようにSNMPデーモンをインストールします。

# zypper install net-snmp

5.net-snmpの設定変更

snmpd.confをHinemosマネージャからアクセス可能なように設定を修正します。

[/etc/snmp/snmpd.confへの追記]

# vi /etc/snmp/snmpd.conf

…

com2sec notConfigUser  default       public

#group   notConfigGroup v1           notConfigUser

group   notConfigGroup v2c           notConfigUser

access  notConfigGroup ""      any       noauth    exact  systemview none none

[/etc/snmp/snmpd.confの修正]

# vi /etc/snmp/snmpd.conf

(変更前)

rocommunity public 127.0.0.1

(変更後)

rocommunity public 10.3.0.0/16

6.snmpdの再起動

snmpdを再起動してsnmpd.confの変更内容を反映させます。

# service snmpd restart

7.javaのインストール

次にHinemosエージェントを起動させるためのJava環境を用意します。

# zypper install timezone-java

# zypper install giflib

7.1 liblcms2-2-2.6-68.1.x86_64.rpmのダウンロードとインストール

以下のサイトから、RPMパッケージを入手します。

http://download.opensuse.org/repositories/home:/cseader:/branches:/Java:/openjdk6/SLE_11_SP3/x86_64/

liblcmsをRPMコマンドを使ってインストールします。

# rpm -ivh liblcms2-2-2.6-68.1.x86_64.rpm

7.2 jdkのインストール

以下のサイトから、RPMパッケージを入手します。

http://download.opensuse.org/repositories/Java:/Factory/openSUSE_Factory/x86_64/

OpenJDKをRPMコマンドを使ってインストールします。

# rpm -ivh java-1_6_0-openjdk-1.6.0.0_b39.1.13.11-8.1.x86_64.rpm

8.hinemos-agentのインストール

これで事前準備は完了しました。HinemosエージェントもRPMコマンドで一発でインストールできます。下記の10.0.24.127はHinemosマネージャのIPアドレスです。

# HINEMOS_MANAGER=10.0.24.127 rpm -ivh hinemos-agent-5.0.3-1.suse.x86_64.rpm

9.HinemosAgentの使用するJavaの変更

Hinemosエージェントを起動する前に、先ほど用意したOpenJDKを参照するように設定を変更します。

# vi /opt/hinemos_agent/conf

(変更前)

JAVA_HOME=/usr

(変更後)

JAVA_HOME=/usr/lib64/jvm/jre-1.6.0-openjdk

10.HinemosAgentの起動

次のコマンドでHinemosエージェントを起動して終了です。

# systemctl start hinemos_agent

おわりに

第3回では、SAP HANAが動作するSUSELinux環境にHinemosエージェントをインストールする手順を紹介しました。

最終回となる第4回では、Hinemosを使ってSAP HANAの監視や、SAP HANAの起動・停止をジョブからコントロールする手順を紹介します。

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