第3回 Hinemos ver.5 との違いを知る (ジョブ編)

作成日 2015/10/06
更新日 2015/10/06

はじめに

本技術情報は、Hinemos ver.3 をお使いの方へ(バージョン差分紹介シリーズ)第3回です。

2010年にHinemos ver.3.0 がリリースされ、それ以降、Hinemos は非常に多くの案件に採用され、また案件要望を取り入れたメジャーバージョンアップを繰り返してきました。そして最近では、Hinemos ver.5.0 がリリースされ、ハードウェア更改やパブリッククラウドへの移行に際して、Hinemosのバージョン アップや商用製品からの移行案件が増えてきています。

そこで、「最近の Hinemos ver.5.0 はどうなっているんだ?」ということを、Hinemos ver.3.x ( 以下、v3.x ) からの変遷が分かるように、記事にしたいと思います。

こんな方々に見てもらえれば幸いです。

・ v3.x を使っている人 ⇒ 時期的に更改を迎えそうです。
・ もうすぐ v3.x を含めた更改に関わりそうな人 ⇒ バージョンが違っても参考になります。
・ 昔 v3.x の採用を諦めた人 ⇒ 必要な機能が追加されているか確認できます。

第3回では、ジョブ関連の機能を中心に、v3.0からv5.0までの変遷を紹介します。

● 拡張されたジョブ機能
● 拡張されたカレンダ機能
● ジョブ定義・実行結果のビジュアライズ

拡張されたジョブ機能

 拡張されたジョブ機能

v3.0 以降のバージョンアップに伴い、ジョブ種別や実行契機の追加といったジョブの基本機能の追加に加え、編集モードの搭載やテスト実行によるフロー確認といった、セキュアな操作を実現するより高度な機能が追加されています。

v3.0からv5.0のバージョンアップに伴い追加・改善されたジョブ機能のうち、代表的なものを紹介します。

[追加]
・ ジョブ種別(参照ジョブ)の追加 (v4.1~)
・ 実行契機(ファイルチェック)の追加 (v4.1~)
・ ビュー(スケジュール予定)の追加 (v4.1~)
・ 多重度実行制御の追加 (v4.1~)
・ 編集モードの追加 (v4.1~)
・ ジョブの繰り返し実行の追加 (v5.0)
・ テスト実行の追加 (v5.0)
[改善]
・ 日跨ぎ対応 (v4.1~)
・ スケジュールの繰り返し実行対応 (v4.1~)

 [追加]ジョブ種別(参照ジョブ)の追加 (v4.1~)

v4.1より、登録済みのジョブ(同一ジョブユニット配下)を参照する形で実行する「参照ジョブ」が追加されました。これにより、同じ処理を行うジョブを複数個作成する必要がなくなり、ジョブのメンテナンス性が向上しました。

 [追加]実行契機(ファイルチェック)の追加 (v4.1~)

v4.1より、実行契機に「ファイルチェック」が追加されました。この実行契機では、指定したファイルの作成/変更/削除を検知し、ジョブを実行します。これにより、システム間を跨る処理などで、他システムから送信されたファイルを契機にバッチ処理を動作させる、といったことが可能になりました。

 [追加]ビュー(スケジュール予定)の追加 (v4.1~)

v4.1より、実行予定のジョブを表形式で表示する、ジョブ[スケジュール予定]ビューが追加されました。このビューは、スケジュール設定されているジョブ情報をもとに、将来実行されるジョブが一覧で表示されるため、登録したジョブが想定通り実行されるかを事前に確認することができます。

 [追加]多重度実行制御の追加 (v4.1~)

v4.1より、Hinemosエージェント単位で、同時に実行するジョブ数の上限値を設定できるようになりました。これにより、一度に大量のジョブ実行指示があった場合でも上限値を超えるジョブは実行されないため、ジョブ実行により管理対象の負荷が高騰するような事態を防ぐことができるようになりました。

 [追加]編集モードの追加 (v4.1~)

v4.1より、ジョブの編集を単独ユーザで行えるように制御する、編集モードが追加されました。これにより、v4.0以前に起こりえた、不用意にジョブが上書かれる事態を防げるようになりました。なお、編集モードはジョブユニット単位で制御します。

 [追加]ジョブの繰り返し実行の追加 (v5.0)

v5.0より、ジョブが正常終了するまで、設定した回数繰り返し実行する機能が追加されました。v4.1以前で同様の事を行う場合は、当該ジョブのスクリプト内で制御するなど独自の対策が必要でしたが、v5.0では、Hinemosマネージャで制御できるようになりました。

 [追加]テスト実行の追加 (v5.0)

v5.0より、ジョブの即時実行ダイアログから、ジョブのテスト実行ができるようになりました。テスト実行では、既に登録済みのコマンドを一時的に変えられるため、実際の動作に影響を与えることなく、ジョブフローが意図したとおりに動作するかを確認することができます。

 [改善]日跨ぎ対応 (v4.1~)

v4.1より、ジョブに関する様々な設定が日跨ぎ(48時間)に対応しました。これにより、22時にジョブを開始し28時に後続ジョブを動作させる、といった30時間制で動作するジョブも制御できるようになりました。

 [改善]スケジュールの繰り返し実行対応 (v4.1~)

v4.1より、1時間未満の間隔(30分間隔など)で同一ジョブを繰り返し実行できるようになりました。v4.0以前で、1時間未満の間隔を設定する場合は、同一ジョブのスケジュール設定を複数個用意する必要がありましたが、v4.1以降は一つのスケジュール設定で行えるようになりました。

拡張されたカレンダ機能

v3.0からv5.0のバージョンアップに伴い追加されたカレンダ機能のうち、代表的なものを紹介します。

・ 稼働・非稼働設定の統合と設定の柔軟性強化 (v4.1~)
・ 月間予定ビュー、週間予定ビューの追加 (v4.1~)
・ カレンダパターンの追加 (v4.1~)

 稼働・非稼働設定の統合と設定の柔軟性強化(v4.1~)

v4.1より、カレンダの稼働・非稼働時間の設定箇所が統合され、より直感的に設定できるようになりました。詳細設定を行う場合、v4.0以前では日を指定し稼働・非稼働を設定していましたが、v4.1以降では特定の日を軸にした前後日の指定や、月の第何週の何曜日といった日の指定以外にも柔軟に設定できるようになりました。

 月間予定ビュー、週間予定ビューの追加(v4.1~)

v4.1より、カレンダ[月間予定]ビューとカレンダ[週間予定]ビューが追加されました。各ビューにて稼働状態が視覚的(稼働・緑、非稼働・赤)に表示されるため、稼働・非稼働が複雑に入り組んだカレンダ設定でも、一目で稼働状態を確認することができます。

 カレンダパターンの追加(v4.1~)

v4.1より、カレンダパターンが追加されました。カレンダパターンは、ダイアログに表示されるカレンダより、任意の日をクリックし登録します。そのため、休日に伴う振替日の指定や、GW・年末年始といった、イレギュラーな業務パターンをまとめて設定できます。また、カレンダパターンは複数のカレンダで使用できるため、共通の設定(祝日など)を登録しておくことで、カレンダの設定を簡略化できます。

ジョブ定義・実行結果のビジュアライズ

v3.0からv5.0のバージョンアップに伴い、ジョブ設定、およびジョブ履歴を可視化する機能が追加されました。その中で代表的なものを紹介します。

・ ジョブ設定・ジョブ履歴パースペクティブの分離 (v5.0)
・ 【オプション】Hinemosジョブマップ (v4.0~)
・ 【オプション】Hinemosレポーティング (v4.1~)

(オプションは、Hinemosパートナー企業から入手可能です)

 ジョブ設定・ジョブ履歴パースペクティブの分離(v5.0)

v5.0より、ジョブの設定画面と、ジョブの実行結果を確認する画面が分離されました。これにより、ジョブの設定、もしくは実行結果を確認する場合は、目的の画面を開くことで内容を確認できるため、より直感的に操作できるようになりました。

 【オプション】Hinemosジョブマップ(v4.0~)

v4.0より、ジョブの遷移を二次元マップ上にグラフィカルに表現することでジョブの「見える化」を実現する、Hinemosジョブマップが追加されました。Hinemosジョブマップの詳細については、こちらよりご確認ください。

 【オプション】Hinemosレポーティング(v4.1~)

第2回でも紹介しましたが、v4.1よりHinemosレポーティングが追加されました。ジョブの実行履歴はガントチャート形式で出力されるので、いつ・どのくらいの時間実行されていたかを「見える化」します。詳細は第2回の内容をご覧ください。

おわりに

Hinemosのv3からv5までの機能の変遷を、3回に分けて紹介しました。 バージョンアップに伴い、多くの機能追加や機能改善が行われていることがご確認いただけたと思います。 昔のHinemosをご利用中の方もそうでない方も、ぜひ最新のHinemosをご活用ください。

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