第2回 Hinemos ver.5 との違いを知る(監視編)

作成日 2015/09/29
更新日 2015/10/06

はじめに

本技術情報は、Hinemos ver.3 をお使いの方へ(バージョン差分紹介シリーズ)第2回です。

2010年にHinemos ver.3.0 がリリースされ、それ以降、Hinemos は非常に多くの案件に採用され、また案件要望を取り入れたメジャーバージョンアップを繰り返してきました。そして最近では、Hinemos ver.5.0 がリリースされ、ハードウェア更改やパブリッククラウドへの移行に際して、Hinemosのバージョン アップや商用製品からの移行案件が増えてきています。

そこで、「最近の Hinemos ver.5.0 はどうなっているんだ?」ということを、Hinemos ver.3.x ( 以下、v3.x ) からの変遷が分かるように、記事にしたいと思います。

こんな方々に見てもらえれば幸いです。

・ v3.x を使っている人 ⇒ 時期的に更改を迎えそうです。
・ もうすぐ v3.x を含めた更改に関わりそうな人 ⇒ バージョンが違っても参考になります。
・ 昔 v3.x の採用を諦めた人 ⇒ 必要な機能が追加されているか確認できます。

第2回では、監視関連の機能を中心に、v3.0からv5.0までの変遷を紹介します。

● 拡張された監視機能
● その他の機能拡張
● 監視結果のビジュアライズ

拡張された監視機能

 拡張された監視機能

メジャーバージョンアップに伴い、基本的な監視機能に加え、より高度な監視機能が追加されています。また、アーキテクチャの見直しにより、ログ系の監視機能が大きく改善されています。

v3.0からv5.0の中で追加・改善された監視機能のうち、代表的なものを紹介します。

[追加]
・ カスタム監視(v4.0~)
・ Windowsサービス監視(v4.0~)
・ HTTPシナリオ監視(v5.0)
・ JMX監視(v5.0)
[改善]
・ システムログ監視(v4.0~)
・ ログファイル監視(v4.0~)
・ Windowsイベントログ監視(v4.1~)

 [追加]カスタム監視(v4.0~)

v4.0より、ユーザ定義のコマンド・スクリプトの実行結果を監視する「カスタム監視」が追加されました。ミドルウェアの高度な監視や特定のHW機器の監視については、通常の運用管理ツールにある標準機能では対応が困難です。しかし、「カスタム監視」を用いることで、任意のコマンド・スクリプトの戻り値を閾値監視できるようになり、この課題が解決されました

 [追加]Windowsサービス監視(v4.0~)

v4.0より、Windowsサービス監視が追加されました。Windowsは、Linuxとは違い「プロセス」ではなく「サービス」という単位で、OS上のミドルウェア等を管理しています。Windowsサービス監視の追加により、Windowsの「サービス」の状態を監視できるようになりました。

 [追加]HTTPシナリオ監視(v5.0)

v5.0より、HTTP監視の種別に「シナリオ」が追加されました。v4.1以前も、Webページの応答時間やWebページに表示される「文字列」の監視は行えました。これに加え、v5.0で「シナリオ」に対応したことで、ECサイト等で商品を購入するなどの一連のシナリオが正常に動作するか、といった高度な監視も行えるようになりました。

 [追加]JMX監視(v5.0)

v5.0より、JMX監視が追加されました。Java Management Extensions (JMX) とは、Java アプリケーションをモニタおよび管理するための仕様です。JMXに対応したことで、JavaのヒープサイズといったJVMの内部情報も監視可能となり、Javaアプリケーションの監視において、より高度な監視を行えるようになりました。

 [改善]システムログ監視(v4.0~)

v4.0より、システムログ監視のメッセージフィルタの設定方法が変わりました。v3.2以前は、1マネージャ、1フィルタ条件でしたが、v4.0から1マネージャに、複数のフィルタ条件を設定できるようになりました。これにより、システムごと、ミドルウェアごとなどでフィルタ条件が作成できるようになリ、メッセージフィルタの追加・変更などのメンテナンス性が大きく向上しました。

 [改善]ログファイル監視(v4.0~)

v4.0より、アプリケーションやミドルウェア等が出力するログファイルの監視機構が改善されました。v3.2以前は、Hinemosエージェントが対象ログファイルの全ログを、syslog経由でHinemosマネージャに送信し、Hinemosマネージャでパターンマッチ処理を行っていました。v4.0からは、Hinemosエージェントにてパターンマッチ処理を行い、その結果をHinemosマネージャに送信するようになったため、Hinemosマネージャの負荷が大きく低減されました。

 [改善]Windowsイベントログ監視(v4.1~)

v4.1より、Windowsのイベントログを監視する、Windowsイベントログ監視が追加されました。v4.0以前は、イベントログをHinemosマネージャに転送するソフトウェア(NTsyslog)を利用し、syslog経由で送信、Hinemosマネージャでパターンマッチ処理を行っていました。v4.1からは、Hinemosエージェントにてイベントログを監視し、その結果をHinemosマネージャに送信するようになったため、Hinemosマネージャの負荷が大きく低減されました。

その他の機能拡張

v3.0からv5.0の中で、監視に関連する機能で、機能拡張されたものを紹介します。

・ イベントの項目追加(v4.0~)
・ 通知の機能拡張(v5.0)

 イベントの項目追加(v4.0~)

v4.0より、発生したイベントに対し、「コメント」を登録できるようになりました。これにより、イベントごとに、発生原因や対処方法をコメントとして記録することで、インシデント管理を効率的に行えるようになりました。

 通知の機能拡張(v5.0)

v5.0より、通知機能に対し、以下の機能拡張が行われました。

・ 各通知に対するカレンダ設定の追加
・ 「有効にした直後は通知しない」フラグが追加

これらの機能拡張により不要な通知が削減され、各通知の視認性・Hinemosのメンテナンス性が向上しました。

監視結果のビジュアライズ

v3.0からv5.0の間に、監視設定、および監視結果を可視化する機能が追加されました。その中で代表的なものを紹介します。

・ 監視設定パースペクティブ(v4.0~)
・ 【オプション】Hinemosノードマップ(v3.2~)
・ 【オプション】Hinemosレポーティング(v4.1~)

(オプションは、Hinemosパートナー企業から入手可能です)

 監視設定パースペクティブ(v4.0~)

v4.0より、監視に関連する設定(監視設定、通知設定、メールテンプレート)を一つにまとめた、監視設定パースペクティブが追加されました。これにより、設定されている監視関連の設定が一覧で確認できるようになったほか、監視の有効化・無効化などを一括でまとめて操作できるようになりました。

 【オプション】Hinemosノードマップ(v3.2~)

v3.2より、ノード・スコープを二次元マップ上にグラフィカルに表現することでインシデントの「見える化」を実現する、Hinemosノードマップが追加されました。 Hinemosノードマップの詳細については、こちらよりご確認ください。

 【オプション】Hinemosレポーティング(v4.1~)

v4.1より、Hinemosで蓄積するさまざまな情報を稼働状況レポートとして出力し、利用状況の「見える化」を実現する、Hinemosレポーティングが追加されました。 Hinemosレポーティングの詳細については、こちらよりご確認ください。

おわりに

第2回では、監視機能や通知機能を中心に、追加・改善された機能や ver.3から大きく変わった監視結果の確認方法(ビジュアライズ)について紹介しました。
第3回では、ジョブ機能について、Hinemos ver.3からver.5までの変遷を紹介します。

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